日本人の毎日の食卓に欠かせない食材の卵。
何気なく毎日食べているけど、1個のカロリー、タンパク質量はどのくらいあるのでしょうか?
S・M・Lのサイズごと、全卵・卵黄・卵白の種類ごとにカロリー、タンパク質量をまとめたのでご紹介します。
管理栄養士である筆者の卵の栄養おススメポイントも一緒に解説します。
卵1個のカロリー、タンパク質量、糖質、脂質は?
卵のカロリー、タンパク質の他にダイエット中に気になる糖質・脂質の量も一緒にまとめました。
卵のサイズ(S・M・L)ごとの栄養素まとめ
サイズ | カロリー (kcal) | タンパク質 (g) | 糖質 (g) | 脂質 (g) |
S | 60 | 4.9 | 0.1 | 4.1 |
M | 79 | 6.4 | 0.2 | 5.4 |
L | 91 | 7.4 | 0.2 | 6.2 |
*重量はS:40g、M:52g、L:60g(それぞれ殻を除いた正味量)
卵のカロリーは標準のMサイズで1個約80カロリーです。
糖質はほとんどなく、カロリーはほぼタンパク質と脂質です。
糖質が含まれていないと食べても血糖値が上がらず、脂肪になりにくいので卵は太りにくい食材ですね。
全卵、卵黄、卵白ごとの栄養素まとめ
カロリー (kcal) | タンパク質 (g) | 糖質 (g) | 脂質 (g) | |
全卵 | 91 | 7.4 | 0.2 | 6.2 |
卵黄 | 70 | 3.0 | 0.0 | 6.0 |
卵白 | 20 | 4.4 | 0.2 | - |
*卵1個(Lサイズ)の全卵、卵黄、卵白
卵黄は脂質が多く、タンパクが少な目。
卵白は脂質は0で高タンパク、低カロリーです。
カロリーや脂質だけみると卵白だけ食べた方がダイエットや筋肉UPに効果的に見えますね。
でも卵黄には様々なビタミン、ミネラルが多く含まれます。
ビタミンの中にはエネルギーの代謝を助け、痩せやすい体をつくるのに必要なものも含まれます。
白身だけ食べるのは大変ですし、普通に丸ごと食べた方が栄養面でもおススメです。
卵は最強の栄養食材
卵1個で1日に必要な栄養素どれくらい摂れる?
卵には多くの栄養が含まれます。
1個食べることで1日に必要な栄養をどれくらい補えるかご紹介します。
・たんぱく質(筋肉をつくる材料)
12%
・カルシウム(骨の材料になる)
4%
・マグネシウム(骨の形成を助ける)
2%
・鉄(血液をつくる)
13%
・亜鉛(味覚を正常に保つ)
10%
・ビタミンA(風邪の予防)
13%
・ビタミンB2(脂肪の代謝を助ける)
22%
・ビタミンB6(たんぱく質の代謝を助ける)
3%
・ビタミンB12(皮膚の抵抗力亢進)
21%
・ビタミンD(骨の吸収に必要)
36%
・ビタミンE(抗酸化作用があり老化防止になる)
7%
・ビタミンK(血液を固めるのに必要)
10%
・葉酸(細胞の生産・再生に必要)
11%
卵1個で女性が不足しがちな鉄や、ダイエットに欠かせない脂質の代謝を助けるビタミンB2が多く摂れます。
カルシウムの吸収を助けるビタミンDは1個で1/3以上も摂れます。
卵は栄養の宝石箱のような素晴らしい食材です。
卵のタンパク質は優秀
卵のタンパク質は特に優れているのです。
筋肉を作ったり、骨の材料になったりと体をつくるのに欠かせないタンパク質。
タンパク質はアミノ酸というものでできています。アミノ酸の中でも体で作ることができず、食事から摂らなければならないものを『必須アミノ酸』と呼びます。
この必須アミノ酸には点数があり、100点のものが質がいいタンパク質と言われています。
100点の代表的ものは肉、魚、卵、豆です。
中でも卵は肉・魚より価格も安く調理も手軽にできるので良質なタンパク質を摂るのにとてもおススメです。
卵以外にタンパク質の多い食材は?
成人が一日に必要なタンパク質は50~60gです。
卵は100gあたりタンパク質が12.3g含まれ、1個で1日に必要な量の1/5が摂れます。
卵以外でタンパク質が多く摂れる食材は何があるか紹介します。
食材名:たんぱく量(g)で記載してあります。
*食材100gあたりのタンパク質量
【魚類】
かつお:25.8
さけ(生):21.7
たい(生):21.7
ぶり:21.4
ひらめ:21.2
あじ(生):20.7
さば:20.7
マグロ、カツオなど赤身魚がタンパク質を多く含みます。
基本魚はどれも高たんぱくで、良質なタンパク質をもちます。
また魚は油の種類も体に必要な良質な油である不飽和脂肪酸を多く含むので毎日食べたい食材です。
【肉類】
豚ヒレ肉:22.8
鶏むね肉(皮なし):22.3
ローストビーフ:21.7
牛もも肉(輸入):21.2
子牛ばら肉:20.9
鶏ひき肉:20.9
牛ひれ肉(輸入):20.5
豚もも肉:20.5
肉は赤身の部位がタンパクを多く含みます。
注意したいのは肉の油には飽和脂肪酸と呼ばれる体の中で消費されにくく、中性脂肪や悪玉コレステロールを増やす油が多く含まれることです。
肉はなるべく油の少ない赤身肉を選ぶようにしましょう。
【豆類】
だいず(ゆで):16.0
がんもどき:15.3
厚揚げ/生揚げ:10.7
豆類も良質なタンパクを多く含みます。
特に女性の方は年齢と共に女性ホルモンが減少することが原因で悪玉コレステロールが高くなりやすいです。
大豆に含まれるイソフラボンは女性ホルモンと似た働きをしてくれるので女性には特に食べていただきたい食材です。
1日に食べていい数は?
食べ過ぎるとコレステロールが心配?
卵1個に含まれるコレステロールは210mgです。
以前は血液のコレステロール値が高い人は「1日のコレステロール量を350mg以下にしましょう」と言われており、卵1個で1日の上限の2/3になってしまいました。
しかし2015年にコレステロールは食事からの摂取量を減らすことで血中コレステロールが低下する科学的な根拠が得られず、摂取量の基準が撤廃されました。
基準が撤廃されたといっても、血液検査で脂質異常症と診断された人は1日1個程度が適当ですが、健康な人なら1日に2~3個食べても問題ありません。
卵の簡単な食べ方
ゆで卵
ゆで卵をまとめて作っておくと、朝ごはんの一品や小腹が空いたとき、食事の彩りがほしいときに便利です。
ゆで卵は沸騰したお湯に卵を入れ、7分煮たらお湯を捨て常温になるまで置いておくと綺麗な半熟のゆで卵ができますよ。
管理栄養士である筆者の家には常に5~6個ゆで卵がストックしてあり、私や子どもがおやつに食べています(笑)
目玉焼き
フライパン1つでできる目玉焼きもおススメです。
油をひいたフライパンに卵を入れたらすぐに大さじ2~3杯水を入れます。そして蓋をして蒸し焼きにすると焦げずに半熟の美味しい目玉焼きが作れます。
卵は毎日欠かさず食べたい優秀食材!
卵は質のいいタンパク質が摂れ、その他の栄養成分も豊富な優秀食材です。
毎日の食事に卵を取り入れることで簡単にバランスのいい食事ができあがります。
高タンパク・低糖質で筋肉をつけたい人にも、ダイエット中の人にも強い味方の卵は毎日食べたいおススメ食材です。
参考資料:日本食品成分表
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